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いわき経済報

-福島県いわき市発の地域経済情報紙-

新生「いわき市立総合磐城共立病院」58億円増額へ

12月いわき市議会に補正予算上程「大成受注から総額355億円」に

2015年11月26日<いわき経済報・電子版速報>


 関係筋が25日までに明らかにしたところによると、福島県いわき市(清水敏男市長)は、新生同市立総合磐城共立病院建設を進めているが、総事業費に加えて約58億円の増額を12月3日から開催されるいわき市議会に上程することになった。

新生・同病院は、早ければ2019年に完成、開業の運びとなるが、工事は大幅に遅れている。病床は、基本計画では670床だったが、30床増やして700床とする。同病院の開院は当初、早ければ2017年秋ごろを見込んでいたが、約1年遅れの18年度になる模様だ。 福島第一原発放射能事故で、同市内には避難民は約2万3000人から2万6000人が住んでいるとされ、今後、同病院は「10年後以上の将来を考えると合計800床程度にする必要性に迫られている」と指摘していたが、700床に落ち着いた。 清水市長は、30床増床が必要で、その決断で市民の健康を守るためにも増床を認めたという。2014年4月の現在で828床、15年は761床で診療を続けているが、行政機関とあれども病床を減らすと、増床の場合は新たな認可が難しいため、3・11のような大災害を考え、将来を見据えた病床は慎重に精査する必要がある。将来、民間の開業医(病床のある病院を含め)は経営が厳しくなると予測されているため、同市内には、すでに経営難の病院もあり、国の方針だと病証減を促進している。あらゆることを想定し、同共立病院の増床確保が求められる。一方、一般開業医も健全経営の病院も存在、病床増が今後の課題となっている。

新生病院となる「いわき市立総合磐城共立病院」の総事業費は343億となるが、大手ゼネコンの大成建設と地元業者の常磐開発JVの工事費は297億6480万円で、デザインビルド方式(実施設計も大成建設)で一括受注した。58億円増額で合計355億6480万円となる。

同市は、30床増設や人件費、骨材の高騰で工事費の増額が余儀なくされたといっているが、物価上昇分などとして58億円程度の増額することで議会対策に課題を残したといえる。 同市は、大成建設らJVの工事発注段階で、骨材や人件費などの高騰の発注額の予測が付かなかったのか疑問が残る。同市部内に大型事業に対応できる専門職がいなかったことが、今回の増額を招くことになったと建築家などから指摘されている。同市は、市議会に対し、専門職2人で精査したと説明しているが、関係者からは疑問視されている。ちなみに鹿島建設と清水建設は、デザインビルド事業者から降りた。

清水市長の増床決断は、市民の健康や災害時の対応を考えると当然のことで評価できるとM医師の話である。しかし、増床決断は別にしても、工事発注は3年から5年程度の先行きを見越して予算を決めなければならず、同市の判断が甘かった。鹿島や清水は、同市が提供した工事額では赤字となり、下請け業者を泣かすことになり工事に自信が持てないから自主的に降りたという。同市が的確な予算を組んでいれば、鹿島、清水、大成の3者で競えば、デザインビルドのそれこそ最優秀提案ができたはずである。 ◇おことわり 新病院の建設内容報道については、2015年1月1日号本紙既報。いわき経済報電子版でもPDFで伝えています。

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)

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