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いわき経済報

-福島県いわき市発の地域経済情報紙-

福島第一原発報道陣に公開「4号機の燃料取出し延期」実証試験の追加で安全性確認か

小野所長は「燃料取出しが本当のスタート、今月中ごろには行える」と語る

2013年11月7日<いわき経済報・電子版速報>

 東京電力は6日、福島第一原子力発電所(小野明所長)の4号機と6号機などを報道陣に公開した。4号機の使用済み核燃料プールから燃料棒「ペレットに焼き固められた直径と高さ約1センチのセラミック状のウラン燃料『核分裂はペレット中で起きる』で、丈夫なジルコニウム特殊合金製被覆管に密封され、数十本正方形に束ねた燃料」の燃料集合体1533本の保管現場(原子炉建屋内)を報道陣に公開した。燃料集合体の外部への移動は中旬ごろから始めると説明した。 2011年3月に水素爆発で原子炉建屋の壁や鉄骨など上部が吹き飛ばされた原子炉ビル内の燃料プールなどを視察するため、取材が制限された少人数の記者やカメラマンたちが、東電から指示され、放射線から身を守る理由で、白の衣装、全面マスク(ガスマスク的)なもので完全防備、身を包んだ姿は、動かぬ原子炉を診断するプロのエンジニアのように映る。M記者は事故前、正常に営業運転していた状態を思い出す。なぜ、こんなむごい惨いことになったのか…。大地震の警鐘=2007年9月の本紙臨時号既報=をしていた記者は、1993年に、関東圏に住むO氏が、第二原発の欠陥問題で指摘している情報をつかみ、98年から99年に、東電のY副社長(当時総務部長だったか)に、第一原発も含め、大地震があった場合を指摘、対策を助言していた。しかし、記者の助言などは聴く耳を持たないのが東電だった。東電は、専門家の助言も聞かなかったようだ。過去のことを話してもと、思うが、非常に悔やまれる。記者が知っている設計者が言うのには「原子炉プラントは安全性が高い」と、話す。スリー・マイル・アイランド(TMI)原発事故は、主給水ポンプが止まり、蒸気発生器に水がいかなくなった。補助給水ポンプの弁が閉じていた。非常用炉心冷却装置(ECCS)は、自動的に作動したが、誤って運転員がECCSを停止、炉心の燃料損傷が生じた。原子炉格納容器の隔離弁が非作動、放射性物質が放出。プラントの不良もあったとされたが、人的ミスとなる。チェルノブイル原発事故は、外部の電力供給がストップ、タービンへの蒸気供給が停止した時点で、タービン発電機のエネルギーをどこまで利用できるかテスト、非常に低い出力の条件で行ったため、運転規則に違反、原子炉の自動停止装置のスイッチを切ったまま試験を強行、非常用炉心冷却装置のスイッチも切ったため、炉内では核分裂反応を続け、原子炉の出力上昇という特性も含め、原子炉が蒸気爆発や水素爆発に至った。考えられない運転ミスだ。 福一の場合は、大地震による激震で一部プラントが壊れたとしても、津波対策が万全であったなら事故は防げたはずだ。また「電源喪失という前代未聞の状況の中でも、最悪の事故は防げたものと思う」と、いわき市在住などの原発に携わるF技術者が残念がる。 まず、サッカー場のJヴィレッジから福一原発へと向かう。バスで約40分移動する。東電担当者から取材の段取り説明を受ける。いざ、4号機へと出陣。工事用エレベーターで燃料プールのある5階の現場に入る。約4200トンを使用、組み立てた一部鉄骨肌が見える特殊カバーで覆われた原子炉エリアに到着。使用済み燃料集合体を釣り上げる新装された大型クレーンが出迎える。燃料プールには、同集合体が行儀良く整列、事故当時散乱していたガレキは、ほとんど取り除かれていたが、まだ重水が多いのか、エメラルド・ブルーに輝くプールは原子炉全体が、まだ生きている証拠(運転可能)に思えた。 小野明所長は重要免震棟で「4号の方は、きちんと据え付けが終わった。プラントの中から燃料取出しが本当の意味でのスタートだと思っている。11月中ぐらいには取出しが行えると思う。通常の原子炉から取り出すのとは違って、新しい設備を外側に作って天井クレーンにしても燃料取扱い装置にしても通常の原子炉と同じですが、作業の環境が前面マスクを付けたり、耐被服を着たり、作業性が通常より悪いので、私としてはきちんと始められるようにしたい。作業の特別な訓練は必要ない」と説明した。「キャスクが17メートルから落ちる実験をしたことはあるが、30メートルから落とすのはしていないが、万が一を考え安全対策は取るようにする。キャスクは落としてはダメと考えている。17メートルから落として壊れたことはない」とも語った。 ウランやプルトニウムはジルコニウム製被覆管に密閉されているが、それこそ万が一ペレットが破損、燃料棒が破損すれば、やっかいな物質である放射線・放射能が外へ飛散することも考えられる。約1年かけて4号機の燃料を新燃料プールに搬出するという。 4号機使用済み核燃料プールからの燃料取出しは、実際の燃料輸送容器を使用するため、文字通り作業の安全性を確認、実証テストを行うために、8日から燃料の取出しを実施するはずだったが、安全性を考え遅れる見通しとなった。4号機の建屋カバーの完成で、実証テストの準備はOKとなっているが、念には念を入れての安全確認だという。 燃料輸送に使用する容器は、第一原発で使用していたキャスクを使うが、大きさは、全長5・5メートル、直径2・1メートル、重さ91トンある。取出し移設作業は、4号機から約100メートル(4号機建屋と新たな燃料プール建屋は西側に100メートルないように思える)離れた新たな燃料貯蔵プールそばに大型トレーラで運搬してきたキャスクを吊り上げ、貯蔵プールに沈めて設置する。 小野所長が記者たちに「キャスクは落とさない」と言ったように、慎重に、新たな燃料ストックプールへ設置してほしいものだ。

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)

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