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いわき経済報

-福島県いわき市発の地域経済情報紙-

今日11日、菓匠「梅月」(福島県いわき市久之浜町)が甦る=人気の柏餅も復興

「大津波災害復興第1号の営業開始」早朝から長い列が

2012年3月11日<いわき経済報・電子版速報>

 「いわき一うまい。いやあ、日本一かなあ―」。何がうまいかと言うと、槲(かしわ)の葉に包まれた餡(あんこ)餅だ。つまり柏餅のこと。1891年(明治24年)創業の福島県いわき市久之浜町にあった菓匠梅月(片寄清次社長)は、昨年3月11日に発生した超大地震(東日本大震災と命名)による大津波で店が壊滅となってから、ようやく11日で一年が経つ。梅月の再復帰である。片寄さんは、なじみ客から梅月の柏餅を絶やすなと激励され、店の再開へ何度も考えた末、高齢にもかかわらず大津波震災から1年後に復帰させることを決断した。そして、この1年の苦しみから、きょう文字通り待望の再復帰オープンとなった。11日は、特別に午前7時半に店を開ける前から約30人が列を作った。 柏餅は、数に制限がないため15個、30個、50個と飛ぶように売れた。

「梅月の柏餅を楽しみにしていた。復興して良かった」と、店前に並んだ地元のAさん(66)。 「あの柏餅が甦るのを楽しみにしているなじみ客もいる。片寄さんの職人気質は、まさに日本一である。職人仲間や問屋さんが開業へ手助け、九州から手に入れたBACKENの南蛮釜は、柏餅をふんわりと焼き上げるプロの道具か。狭い菓子製造作業場に、機器類が出番を待つ。さあ、柏餅の復興だ」とM記者が独り言。 ガレキの中からあんこ作りの鍋やかまどが見つかったものの使い物にならない。ようかん作りの機械50台はあったが、たった2台だけ残った。3月11日、あの日、あの時が、思い起こす。津波による損害は1億円を上回る。片寄さんは大津波には負けたが、柏餅復活の根性に勝った心が強い持ち主だ。昨年8月に和菓子作りを決心した片寄さん。柏餅の歴史は新たに、ここから始まったといっても言い過ぎでない。 久之浜町を襲った大地震や大津波は、海岸そばにある目抜き通り商店街を含め、住宅や漁港など原形をとどめないほどに破壊され、火事も発生した。商店街にあった梅月も大波で店ごと破壊された。

旧梅月堂として歩み、創業から120年も続いた老舗、菓子製造の匠、片寄清次さん(81)は、柏餅など和菓子作りを一時断念したが、みんなに恩返しをしたいと、菓匠梅月の看板を再び掲げることに決心した。 新たな店舗は、JR常磐線久之浜駅そばの国道6号線沿えに新店舗を構えた。 片寄さんは、田舎作りの素朴な柏餅(ヨモギを含む)や桜餅、波立焼き菓子のほか、銘菓となる殿上、ウマカタようかんも従来どおり作るという。柏餅は1日に、1000個を手造りする。あんこ作りは前から豆(あずき)を冷やし、水分を飛ばしながら半日から1日掛かりで仕込むため大変な作業だ。原料は、長野県産の槲の葉(かしわのは)とヤマゴボウ、オヤマボクチ、ヨモギなどを使用する。

片寄社長は、1954年に東京の菓子作り専門学校で学び、和菓子一筋で生きる職人根性を持つ。地元の菓子工場でも修業したことも。伝統の田舎の味をかもしだすカジュアルな雰囲気の店で、夢を売る個人商店でありたいと願う。片寄さんは、静かに復興オープンしたいと、和菓子の超人が甦る。







◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)

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