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いわき経済報

-福島県いわき市発の地域経済情報紙-

新年度の部長級人事を見直しへ「東日本大震災で市民への粗末な危機管理」いわき市

大地震で「津波が来るので高台に避難してください」と、繰り返し肉声で呼びかけたが

2011年4月6日<いわき経済報・電子版速報>

 福島県いわき市(渡辺敬夫市長)の春人事作業は、新人部長貼り付けがほぼ終えているが、東日本大震災で、4月1日人事発令の一部を除いて、ほとんどの人事異動は6月1日付け発令となった。しかし、この大震災に伴う危機管理が、市民に対して粗末だったため、渡辺市長は、内定していた人事を含め、既存の部長人事も見直しを進める。 関係者が、このほど明らかにしたところによると、この大震災で「市民などに対する危機管理体制が粗末で、市民生活への対応が大幅に遅れた」と、厳しく指摘した。報道機関への対応も粗末だったという。渡辺市長は、本紙記者に対し、人事の見直しを図ると語った。現在、首脳部で人選の精査を行っているという。

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3月11日、14時46分ごろに発生した大地震で、同市平豊間地区の防災無線スピーカーは作動しなかったという。大津波で3人の家族を失った市民は「この大変なときに防災スピーカーが鳴らなかったと憤慨した」という。 同市の防災無線スピーカーは日常勤務時(営業時間)は、行政経営部(大和田正人部長)危機管理課に設置してあるが、地震と同時に機器類に不具合が発生した可能性も残されている。危機管理課勤務時間外は、同市消防本部が防災無線の管理を行っている。地震当時は、14時51分に、同課の笹越友一主査が「津波が来るので高台に避難してください」と、肉声で繰り返し放送した。その後、気象庁からの津波発令は、14時49分にあったことが判明したという。同市内の防災機器類は、同市の太平洋岸各地域に合計79基が設置されている。同課の稲田千尋事務主任は「本震で壊れたのではないですか。笹越主査が、繰り返し避難を呼びかけた」と語る。いずれにしても平豊間地区など含めて数箇所の地区が、防災スピーカーが鳴らなかったことは事実だという。各地区への防災無線の設置に、工夫が必要だ。

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同市の新年度目玉組織となる観光交流推進局長に財政部次長の近藤英雄氏(55)、次の目玉となる病院事務局長=部長職=に、市民協働部次長の荒川正勝氏(55)が、土木部長に、水道局次長の伊藤公二氏(56)、消防本部消防長(消防正監)に消防次長の阿部宏太郎氏(59)が、それぞれ起用することが内定した。発令は4月1日付けとなっていた。なお、総務省から出向している財政部長の百武和宏氏(42)は、復帰せず、新年度も職務推進する。 観光交流振興局の新設=本紙1月号既報=は、同市内の観光やスポーツ、文化なとの交流人口を増やす目的。今年の第2回のサンシャインマラソン(フルマラソン)が、期待通りに終え、交流人口増にも役立った。さらに、スポーツや観光の促進を図るため、新年度は商工観光部内に置くが、2012年度からは、独立した部局とし、いわき観光まちづくりビューロー(斎藤一彦会長=常磐興産社長)の活動をさらにパワーアップ、観光を含めた、文化、スポーツなど強化を促進する。 総合磐城共立病院事務局長は、格上げし部長職とする。これは、赤字経営に悩む、病院の体質強化を図るのと、新病院の建設に伴い医師の確保、経営を含めたノウハウの推進、病院建設準備室との連携も含めて早期開業を目指すものだ。同病院事業管理者の鈴木孝雄氏(67)は、退任。同管理者は。同病院長の樋渡信夫氏(62)が5月31日まで兼務する。 一方、福島県警察本部から現役の警察官1人を導入し、法令遵守推進室(課長職)を総務部内に新設、市役所を訪れた市民、庁舎内の安全・安心の業務体制のほか、交通安全やあらゆる保安体制を強化する。(本紙1月号既報) 同室は、東日本大震災の混乱状況で凍結されている。

■■■伊東副市長は居残り「病院事業管理者に平則夫氏」■■■
渡辺市長は、副市長1人制を固めていたが、福島県に復帰する予定だった副市長の伊東正晃氏(55)は、福島県から慰留を求められた。伊東氏は、同県の部長職抜擢を先延ばしとし、職場への行き先が空かないため現職のまま、あと1年、同市にとどまる。渡辺市長は、副市長1人制と、国・県からは移入人事はしないと選挙公約で市民に公表していた。 また、病院事業管理者は鈴木孝雄氏(67)を更迭した後任には、東北大学医学部経験者の平則夫氏(79)=辛酉会理事長=を起用する。 同病院長の樋渡信夫氏は、さきに同管理者の要請を固辞したが、今回は、平氏が就任するまで兼務を了解した。鈴木氏の更迭は、渡辺市長が、前市長が起用した人事なので更迭を行うと、記者会見で記者の質問に応えていた。これは伊東副市長も前市長の時に同県から導入したものだ。渡辺市長の更迭理由は、正当性が欠けている。 渡辺市長は副市長制1人とする決断をしていたが、関係筋によると、福島県からの要請で伊東氏をさらに1年置くことになり軌道修正を図った。このため、財政部長の百武氏も総務省への復帰は、2012年3月までとなる見込みだ。

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)

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